今宵、キミが砕け散る


 「お、お母さん……?」


 そう呼べば、眉間に皺を寄せて睨んでくる。


 「私はあんたなんか産みたくなかった!あんたがいたから私はろくに仕事も出来ないし、男もできない!」


 耳を、塞いでしまいたかった。


 「一日一日が過ぎるたび、私はアイツに似ていくあんたが怖かった!憎くて憎くてしょうがなかった!!」


 言葉が、鋭い刃となって俺の心に突き刺さる。


 「お、お母さ……」


 「お母さんって呼ばないで!」


 手を伸ばせば振り払われて、行き場を失った手はだらんと垂れ下がった。

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