今宵、キミが砕け散る
「宵、もうすぐ高校生なんだってな!ほらこれ、俺からのお祝い」
今日のバーはいつもより賑わっている。
「ヤスありがとう!」
常連のヤスが分厚い封筒をくれた。
「はは、どうせ嶺緒のやつ、何も渡してないんだろう?」
ヤスは医者で、いわゆるお金持ちらしく、時々私にこうして何かをくれる。
「これからあげるんだよ!」
カウンターの向こうから嶺緒の抗議の声がする。
「嶺緒は金持ってる癖にケチなんだよな」