今宵、キミが砕け散る


 「貴方、お母さんに捨てられたのよ?」


 心臓が抉られたように、痛かった。


 こんなにも辛い事実を淡々と話すこの女は、ちっとも情なんてないのか、逆に俺が捨てられたことを嬉しそうにしている。


 「捨てられた貴方を、私が拾った。だからこれからは、貴方は私のモノなのよ?」


 脳裏に浮かんだのは、お母さんと真紀の顔だった。


 「はっ、は、はは……」


 思考がぐちゃぐちゃになって、もう、どうすればいいのか何が正しかったのかわからない。


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