今宵、キミが砕け散る
「くっ、あ"……」
気がつけば俺は、女の首に手をかけていた。
「せ、い……っ」
苦痛に歪んだ顔は、酷く見ものだった。
「や、め」
その言葉で、ハッとした。
「はっ、はー、はー」
必至に息をする女の瞳には、恐怖が見え隠れしている。
さっきまではあんなに俺に興奮していたのに、愛とは脆いモノだと自嘲した。
「殺されたくなかったら、もう俺に関わるな」
それに女は激しく縦に首を振った。