今宵、キミが砕け散る
俺を見る瞳が全て


 外に出るともう真っ暗だった。


 何も考えずに、ただ歩いた。


 行く宛もないのに、ただ歩く。


 「星?」


 「ま、き……」


 着いたのは真紀の家の前。


 きっと無意識に身体がそこへと向かっていた。


 「っ、どうした……?」


 ぽたりと溢れた涙が、地面にシミをつくった。


 「真紀、お、俺……っ」


 お母さんに捨てられたと聞いたとき、胸が痛かった。


 それを笑顔で話す女にムカついて。

< 177 / 324 >

この作品をシェア

pagetop