今宵、キミが砕け散る
嶺緒はイケメンで優しそうな雰囲気を持っているけれど、結構性格に難ありな見た目詐欺師だ。
「宵ちゃんがここに来てもう2年か」
ヤスは目を細めた。
「な。こんなに居候すると思わなかったわ」
こんなことを言う嶺緒だけど、一度も私を無理矢理追い出そうとはしなかった。
その優しさをいつも私に向けて欲しいのだけど……。
「流石に高校卒業したら出て行かなきゃなー、とは思ってるよ?」
一生ここでお世話になるわけにはいかない。
嶺緒は嶺緒の人生があるし、それを私が邪魔をすることになるのなら尚更だ。