今宵、キミが砕け散る


 「も、お、俺。もう、無理だ……」


 この世界の全てが俺の敵になってしまったように、何も信じたくない、信じられない。


 わかっていた。


 崩れて、壊れて、無くなってしまう。


 そんな気はしていたんだ。


 「あぁ」


 「俺、どう、したら、いい……?」


 わからなかった。


 どうしたら前みたいに戻れるかなんて、考えても浮かばなかった。


 「わから、ないんだ……!!」


 そう、何も。


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