今宵、キミが砕け散る


 ーガチャ


 「お、起きたんだ」


 扉の方を見ると、真紀がお盆をもって立っていた。


 「ま、き……」


 喉がカラカラで、うまく声が出なかった。


 「お前熱出てるからだるいだろ?」


 ああ、言われてみればそうだ。なんだか体が重い気がする。


 「取り敢えず母さんがお粥作ってくれたんだけど……食えるか?」


 「う、ん。あり、がと」


 お皿を受け取って、熱々のお粥を口に運んでいく。


 「あ、そうだ」


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