今宵、キミが砕け散る


 「星、やっぱり……」


 「新美くんっ!」


 真紀が何か言いかけたとき、横から話しかけられた。


 顔だけをそっちに向けると、柔らかそうな髪の毛をふわふわと揺らす小柄な女の子がいた。


 「に、新美くん……あのっ……」


 顔を赤らめて俺を上目遣いで見るその子は、一般的に見たら可愛いのだろう。


 「私、ずっと前から新美くんのこと……」


 それでも俺は、その存在自体に吐き気を催した。


 「好きです!」

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