今宵、キミが砕け散る

 「そっか、そーだよな」

 一瞬、嶺緒の顔が曇った。

 「できることなら、ここにいたい」

 なんて、言えっこない。

 「嶺緒ってさ、彼女とかいないの?」

 すると、以外すぎる答えが返って来た。

 「あー、俺彼女いたことないんだわ」

 「……え⁉︎」

 え、ありえないでしょ。
 コイツ顔だけは良いんだから。

 「人を、好きにならないんだよ」

 どこか、哀愁を含んだ声色で嶺緒は言った。

 

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