今宵、キミが砕け散る
「そう、見えます?」
心なしか嬉しそうに見える彼に、私は目を見開いた。
……何言ってんのコイツ!?
繋いでいた手を見せつけるように上にあげて首を傾げる星に、優香は顔を真っ赤に染めた。
「や、やややっぱり!どうして言ってくれなかったの、宵ちゃん!?」
肩を掴んで揺さぶる優香。頭が回ってきて気持ち悪くなってくる。
「ゆ、ゆーか……」
「はっ!ご、ごめん」
名前を呼ぶと、すぐに手を離して揺さぶるのをやめてくれた。