今宵、キミが砕け散る


 「このやろ……」


 あんたのせいで、こっちは軽く(ホントにめっちゃ軽い)、脳震盪をおこし(かけた)たんだぞ!


 キッと睨めば、何故か星は頬を赤く染めた。


 「ちょっ、宵……。その顔は反則……」


 え、なんで??


 意味がわからず首を傾げれば、星はさらに頬赤くして顔を背けられる始末……。


 「うわぁ、あの子ホントにすごい子だね……」


 「星が気の毒です」


 「っ……」


 「わわわっ!しーちゃん鼻血!!ティッシュ、誰かティッシュー!!」


 そんな会話があったことはつゆ知らず、私は1人悶々としていた。

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