今宵、キミが砕け散る


 「おまちどーさまでーす!」


 「おー!宵ちゃんじゃねぇか!今日も頑張ってんなー」


 どうやら常連さんで、私も笑顔で応えた。


 「いつもお仕事お疲れ様です!」


 ずっと前は、自分がこんなに笑って接客業をしている姿なんて想像もつかなかったけど、だんだん慣れてきた今となれば結構楽しいものだ。


 「やっぱり宵ちゃんの笑顔は癒されるなぁー。宵ちゃんもバイト頑張れよ!」


 そういう常連さんにペコリと頭を下げて、厨房に戻った。

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