今宵、キミが砕け散る
「これ、私が作ったやつじゃないんだけど、食べる?」
「わぁ………美味しそう!」
「ホントだ……。これすごいね、お店で出てくる奴だよね」
嶺緒の作った料理を見て目を輝かせる優香と加賀美。
「じゃあ、ご飯食べてからお風呂にしよっか。ソファに座ってちょっと待っててね」
とりあえず、嶺緒が用意してくれていた分と、自分でサイドメニュー的なものを作る。
「宵ちゃーん」
もうすぐで終わりそうなとき、優香達が顔を覗かせた。
「琴瀬さん、何か手伝うことはありますか?」
申し訳なさそうにいう美苑。さっきとのギャップが凄すぎて笑いそうになったのを必死で堪えた。
「うーん……、あ、このお皿テーブルに運んでもらっていいかな?」
「わかった!」
忙しく動いてくれる、優香達。お陰で、ご飯の準備は早く終わった。
「「「「「いただきます」」」」」
テーブルに並んだ料理を口に運ぶと、口々に美味しいと言ってくれるから、きっと嶺緒が聞いたら喜ぶだろうなと思った。