今宵、キミが砕け散る
神崎優香 side
「お風呂、先にどーぞ」
ご飯も食べ終わり、宵ちゃんはキッチンの向こうからそう言った。
「え!?いいよ、いいよ。宵ちゃんが一番に入って!」
「そうだよ、泊まらせて貰ってるんだし悪いよ……」
私としーちゃんの言葉に、宵ちゃんは綺麗な笑みを溢した。いつ見ても慣れなくて、私の心臓が加速する。
「いーよ。私ちょっとやることあるしさ。だから先に入ってて?」
まだ出会ってそんなにたっていないけれど、宵ちゃんは意外と頑固なのだと知った。だから、私たちがいくら言っても、いいよと言って引き下がらないだろう。
「うーん。わかった……。ありがとう宵ちゃん」
お言葉に甘えて先にお風呂に入らせてもらうことになった。
「わぁ、」
湯船は広くて、のびのびできそうだ。
髪の毛を、先に洗って満タンに張ったお湯に浸かる。あんまり遅くなったら夜も遅くなってしまうから100秒数えてからすぐに出た。