今宵、キミが砕け散る
「え、だ、誰かな……」
宵ちゃん……は、お風呂に入ってるし、今日は宵ちゃんひとりだって言っていた。
「も、ももももしかして、泥棒!?」
慌てふためく私の手を、恭ちゃんがぎゅと握ってくれた。不安を取り消すように、私もそれを握り返した。
「や、やべぇよ!」
しーちゃんも、顔を青くしてあわあわとしている。
芹くん達が臨戦体系に入っていて、恭ちゃんは私を守るようにして前に立った。
本当に泥棒だったらどうしようと思いながらどんどん近づいてくる足音の方向を見据える。
私は口から心臓が出てくるのではないかと思うほどドキドキしていた。
「よい〜、帰ったぞぉ〜!」
リビングのドアが開く。その向こうには、整った顔の若い男の人がいた。