今宵、キミが砕け散る



 「ほ、本気で言ってるの?宵ちゃん……」



 「当たり前でしょ。明日、早速実行してみよう!」




 渋々納得した優香に、思わず笑ってしまった。それに気がついた優香は、どうして笑ってるの!と恨めしげに見てくる。




 「上手く、いくといいね」







         * * *






 「ん〜……」




 布団の中で、何か暖かいものがもぞもぞと動いて目を覚ました。




 「ふぁ、ん、……あれ。優香……?」




 私の腕に擦り寄る優香が、幸せそうな顔で眠っていた。




 あのまま。寝ちゃったのかな……。




 昨夜の記憶が曖昧だ。確か優香と都司、キスさせよう作戦を話していたところまで覚えてるんだけど……。




 まぁ、いいか。とベットから起き上がる。優香を起こさないように音を立てず、部屋から出ていった。



< 267 / 324 >

この作品をシェア

pagetop