今宵、キミが砕け散る




 「うわ……、」




 最悪だ……、こんなに酷いと思わなかった。



 常に端っこに置いてある目薬を手に取って目に垂らす。そしたらなんだかスッキリしたような気がした。




 どうしようかな、このままもう一度カラーコンタクトをつけるか否か。いや、普通はつけないんだけど、つけちゃダメなんだけど……。




 うーん、と考えているとガチャリとドアが開き、誰かが入ってきた。





 「琴ちゃーん、朝ご飯出来たって嶺緒さんが言って、て……」





 振り向いた私と目が合ったのは佐城で、彼は私を見るなり、目を見開いて固まった。




 「あ、え……。琴ちゃん……、?」




 青い瞳の自分が、佐城の目に写っていて、私の顔は間抜けなくらい口がポカンと開いた。




 「それ……、」





< 269 / 324 >

この作品をシェア

pagetop