今宵、キミが砕け散る


 「俺がいるよ」

 自分でも小っ恥ずかしいことを言っているのはわかっている。

 だけど……

 「だから、大丈夫」

 今にも、壊れてしまいそうな宵を放っておけない。

 宵が俺に腕を伸ばしたのがわかった。

 俺からしたら小さな身体を、きつく、きつく抱きしめる。

 「大丈夫」

 好きとか、恋とかわからないけど、今、宵が愛おしくてたまらない。

 家族愛というものなのか。

 ただ、守りたいと思った。


 

 
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