今宵、キミが砕け散る
「嶺緒さん、マジでこれ美味しいです!」
一品一品わざわざ絶賛する加賀美に、嶺緒はニヤニヤが隠し切れていなかった。
「家がカフェっていいね!毎日こんなに美味い料理を食べれてる宵ちゃんが羨ましいよ」
「はは、またいつでも来ていいからな。カフェの方だったら割引きしてやるから」
そう言った嶺緒に、私は思わず目を見開いて嶺緒を凝視した。
嶺緒、私のバイト代は減らそうとしてくるくせに……。ホント、外面だけはいいんだよなぁ。
「あ、ていうかさ、学校大丈夫なの?」
嶺緒が指さした方向を見ると、時計の針は8時を過ぎていた。
「え?あー、大丈夫ですよ、俺らいっつも皆でサボってるんすから。遅刻なんて日常茶飯事……」
「は?」