今宵、キミが砕け散る
「……は?」
星の低い声が、篠田先生の声を遮って教室内に響き渡った。
「なにそれ。聞いてないんだけど、俺。一っ言も。ちょっと詳しく教えてもらっていいかな?宵チャン」
なんだかデジャヴを感じて、引き攣りそうな顔を抑えた。
嶺緒とは違い、なんでこんなにも星が怒っているのかわからず、ただ困惑するしかない。クラスメイトはなんだなんだと私たちに視線を送っていて、篠田先生も興味津々にしていた。
「あ……あはは。授業が……」
「んなのどうでもいい」
ガタッと席を立った星は、私を引っ張って教室のドアへと歩き出す。
「え……、ちょっ!」
篠田先生を見ると止める気はなさそうで、ただジーと私と星を見ていた。
……これ以上サボったらほんとにヤバいんだ。
真紀に助けれくれと視線を向けるけれど、篠田先生と同じく助ける気はないようだ。笑顔で手を振って私たちを送り出していた。