今宵、キミが砕け散る
星に連れて行かれ、着いた場所は屋上へと続く階段だった。
「…………で?」
私の顔を真っ直ぐと見つめる星の瞳が、どこか苦しそうに揺れていた。
「な、成り行きで……?あ、いや。最初は優香と2人だけだったんだけど、都司が過保護だから……」
早口で説明をすると、星は納得したようだったけど気に入らないという表情を浮かべていた。
……なんだか、最近星がわからない。
私を見る目がどうにも今まで以上に柔らかくて、愛でるような。
「じゃあさ、今度俺とデートして」
「…………え、?」
いいことを思いついたと笑う星に、不覚にもドキッとした。