今宵、キミが砕け散る




「あ、やっぱ今日行こうか。放課後デートしよう」





子供のようにはしゃぐ星。もう、キャラが崩壊している気がしてならない……。






「連れ出しちゃってごめんね。もう授業戻るの面倒くさいから、1時間サボっちゃおうか?」






絶対謝る気ないだろって思うくらい弾んだ声の星に思わず苦笑いが溢れる。





……まぁ、1時期くらいならいいかな。





星の提案に頷いて、そのまま屋上でサボろうと言うことになった。











ギイッと錆びれた音が鳴った重いドアが開いた。





「おお……」





今日は快晴だから、街並みがよく見える。外で体育をやる声がここまで響いていた。





「ねぇ、放課後どこにいくの?」




「ん?……どうしよう、なにも考えてないや。咄嗟に言っちゃったから……、ついでに待ちきれなかったから」




「あー、じゃあさ。ケーキ食べに行こうよ」




「ケーキ、いいね。真紀甘いもの好きだから行ったことは内緒ね?」






人差し指を口にあてて言う星は、他の女子高生が見たらきっと赤面するだろうってほどかっこよかった。







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