今宵、キミが砕け散る




         * * *




「んじゃあ、気をつけて帰れよ」




篠田先生の言葉で、私と星は立ち上がる。




「真紀、じゃーね」




「俺らちょっとデートしてくるから」




「は!?え、ちょっ……!」




恥ずかしげもなく言う星に私は驚きながらも教室を出た。




優香達には事前に連絡してあるけれど、明日はきっと一日中優香に捕まってしまうかもしれない。いや、放課後ならいいけど……。




「星は甘いもの好きなの?」




「うん、まぁね。真紀程じゃないけど結構好きだよ。休みとか真紀に連れられて食べにく行ったりするよ」




「え、そうなんだね。でも2人が甘いもの好きって意外だね」




「はは。よく言われる」





そんなたわいもない話をしながら校門に差し掛かったとき、何やら見覚えのある姿が目に写った。




< 284 / 324 >

この作品をシェア

pagetop