今宵、キミが砕け散る
* * *
「んじゃあ、気をつけて帰れよ」
篠田先生の言葉で、私と星は立ち上がる。
「真紀、じゃーね」
「俺らちょっとデートしてくるから」
「は!?え、ちょっ……!」
恥ずかしげもなく言う星に私は驚きながらも教室を出た。
優香達には事前に連絡してあるけれど、明日はきっと一日中優香に捕まってしまうかもしれない。いや、放課後ならいいけど……。
「星は甘いもの好きなの?」
「うん、まぁね。真紀程じゃないけど結構好きだよ。休みとか真紀に連れられて食べにく行ったりするよ」
「え、そうなんだね。でも2人が甘いもの好きって意外だね」
「はは。よく言われる」
そんなたわいもない話をしながら校門に差し掛かったとき、何やら見覚えのある姿が目に写った。