今宵、キミが砕け散る
柔らかく微笑む星くんは、恭ちゃんたちと並んでも引け目を取らないくらいにカッコいい。そして女の子が苦手らしいけれど、私には優しくしてくれる。
だから宵ちゃんが、星くんは彼氏です!って言っても私は全然賛成なんだけど……。
そこだけ切り離されたように2人だけの空間が広がっていて。
微笑み合う2人のあまりの美しさに息を呑んだ。
恭ちゃんとお付き合いを始めてから、少しは美形耐性がついたと思っていたけれど、それはとんだ勘違いだった。
初々しい付き合いたてのカップルみたいな2人を見て、私としーちゃんは揃って顔を赤くした。
「ね、……あの2人って付き合ってるの?」
「わからないけど……。前は違うって、言ってた」
もしかしたら、それより後から付き合ったのかもしれない。そんなことを考えていると、急にゾワリと背筋が凍った。
振り向いてみれば、何故か心底面白そうに口角を上げる芹くんがいて。
目がキラリと光ったのは、絶対太陽の反射なんかじゃない。