今宵、キミが砕け散る



そのあと、宵ちゃんたちの後をついていって、今に至る……と。


こんなことになるのなら、私は宵ちゃんに会うの、明日まで我慢してたよ。



「んー、美味しかった!」

「どうする、宵。この後どっか行く?」



私たちは行かないからね!そんな視線を、芹くんに向ければ、察したようにニッコリと微笑まれ安心したのも束の間……。



「行きますよ?」



芹くん呑んだその言葉に、頷く以外出来なかった。



「あ、で、でも、その前にトイレ〜」

「優香、着いて行こうか」

「じょ、女子トイレだよ!?それ、犯罪!」

「そうなのか……」



「それもそうだな」と納得した恭ちゃんを見て、胸を撫で下ろす。



「す、すぐ戻ってくるから!」

「ああ、気をつけろよ。ナンパされたら男の急所を蹴ってすぐ逃げろよ」

「へ……、あ、うん?わ、わかった」



心配性だな、恭ちゃんは。

ただトイレに行くだけなのに。そんなことを思いながらも、席を立った。




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