今宵、キミが砕け散る

 鏡に映る自分を見て、思わず舌打ちこぼす。
 両目は青く、僅かに左目の方が色素が薄くなっている。
 髪の生え際からブランドの色が見える。
 
 「そろそろ、染め直すか」

 黒のカラーコンタクトをつけて小さく呟いた。

 「顔洗ったよ」

 嶺緒のところに戻ると、ホットケーキが机に置かれていた。

 「ん。朝飯だから食えよ?」

 それだけ言って、嶺緒は開店の準備をしに部屋を出ていった。
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