今宵、キミが砕け散る
目の前で身体から血を流しながらも私を守ろうとしてくれる宵ちゃん。
そんな宵ちゃんを、まるで玩具の様に弄ぶ知らない男の人達。
「っ……、」
ああ、なんて私は弱いのだろうか。
それでいてとても最低だ。
さっきも私を庇ってくれた。身を呈してまで守ってくれたのに、私は今の宵ちゃんに何も出来ない。
殴って、殴られて。
ざっと20人程いた男の人たちは、半分位までに減っていた。それでもまだまだ宵ちゃんの方が劣勢で、傷が増えていく彼女を見て、何か出来ないかと当たりを見渡した。
宵ちゃんは、初めてできた私の友達だ。
私の、大切な———。
「っ、いってぇな……」
近くに転がっていた手に収まるくらいの石を、大きく振りかぶって投げた。それは見事に、宵ちゃんを殴ろうとしていた男の人の頭に当たって、赤い血が頬を伝って流れている。
「!?、バカ優香!」
その人は、怒った顔をして私の方に向かってくる。