今宵、キミが砕け散る


「確かにね。問題だけ持ってきて、結果以前に東怒らせて?立場もなんも、ぜーんぶなくなっちゃうね?」



アイツはそういう人間だ。

要らないやつ、使えないやつは容赦なく排除する。

生き残るのはほんの一部の世界だったけど、非道なことなんて当たり前の世界だったけど……。

あそこまで狂っているやつなんて、あの人以来だった。いや、あの人よりも頭のネジが外れていたかもしれない。

そのうち人を殺してしまうのではないのかと、敵ながら心配してしまうほどに、アイツの精神は常人には理解ができないほどに狂っていた。

母親の腹の中に、”感情”というものを全て置いてきてしまったのかと何度も疑った覚えがある。



「チッ、クソが。お前が大人しく捕まってくれたらいい話なんだよ!」



< 318 / 324 >

この作品をシェア

pagetop