今宵、キミが砕け散る
理性をなくした獣のように、拳を振り上げた男の目はギラギラと血走っている。
正直、もう立っているだけで限界だった。呆気なくそれは私の腹部にねじ込まれて、なすすべもなく倒れ込んだ。
さっきの疲労と上手く回らない頭。こんな状態では使い物にならない。
「ははっ、威勢だけだなぁ?」
肩を掴まれて、仰向けにされる。
「いまここで、そんなに犯されたいか?」
「あんたらとヤリたいっていう奴がいたら見てみてぇわ」
フッとバカにするように鼻で笑う。
別に犯されてもいいと思った。
これは時間稼ぎで、たった3人の相手をするのと優香を天秤に掛ければ、その差は圧倒的だ。
今私ができることはそれぐらいで、東の同じお姫様の立場の私と優香でも都司達が大事に大事に思っているのは優香の方だ。