今宵、キミが砕け散る

 もう、全てを投げ出して、アナタの元へ行きたいよ。

 その胸に飛び込んで、痛いほど抱きしめて。

 息ができないほど、唇を塞いで欲しい。

 苦しいよ。

 好きで、好きで、たまらない。

 アナタに壊して欲しい。

 それでも、足りないくらい愛しさが溢れて止まない。

 私を壊してと願ったけど、アナタを壊して欲しくなかった。

 私は笑えなかったけど、キミの笑顔を奪って欲しくなかった。

 初めて流れた涙は、赤と混じり合って落ちた。

 ただ、静かに私はアイツを殺したいと思ったよ。


 

 
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