今宵、キミが砕け散る

 「あ、起きた」

 声が聞こえて、そっちに目だけを向けた。

 「……」

 誰だろう、と首を傾げるも後からどうでもいいやと思って視線を外した。

 「俺、新美星ね。よろしく」

 勝手に自己紹介をする新美星をもう一度見れば、彼は嬉しそうに笑みを浮かべた。

 女子に騒がれそうな整った顔に物腰の柔らかい口調。

 髪は茶髪で、他のクラスメイトよかは目立たない。

 「キミ、名前は?」

 笑顔を絶やさず聞いてくる。

 新美星を一言で表すのなら爽やかがぴったりだろう。


 
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