今宵、キミが砕け散る
「独占欲が強い男は嫌われるよ〜」
さっきまでスマホをいじっていた渚くんが恭ちゃんをみてニヤニヤしながら言った。
意味がわからない私は恭ちゃんの腕の中で赤くなった顔を隠すしかない。
「ホント、他所でやってくれませんかね、そういうことは」
芹くんが呆れたように言った。
「恭夜怒んないでよ!話してただけじゃん!」
「……距離が近い」
拗ねたような、不機嫌な声が上から聞こえて、私は顔を上げた。
「恭ちゃん?」
じっと彼の顔を見ると、口角が少し上がった気がした。
ちゅっと軽いリップ音がなって、私は熱を持った頬を手で押さえた。