今宵、キミが砕け散る
まるで童話の中のお姫様
「……ちょっといいですか」
優香と抱き合っていたら、不意に声をかけられた。
「あ、ごめんっ!」
優香が慌てて離れた。
「いいですよ、でも恭夜が拗ねてるからかまってやってください」
視線を向けると、顔の整った男達が立っていた。
金髪、茶髪、まともな黒髪もいるけど一番目立つのは金髪赤メッシュだ。
「誰……?」
無意識のうちに出た声に、黒髪の敬語眼鏡男が反応する。
「自己紹介がまだでしたね、僕は美苑芹です。よろしくお願いします」
「……はぁ」
胡散臭い笑みを向けてくる美苑芹に怪訝な表情を向けた。