今宵、キミが砕け散る
彼らの目、雰囲気を見ればただの男子高校生ではないことは明らかだ。
お生憎様、私もそういう類の人間に近いからわかる。
そう考えると、あの日優香が襲われていたのは偶然ではない気がしてきた。
きっとコイツらのお姫様と言うやつなんだろう。
"あの子"と、同じで少し重ねて見えてしまう。
まだ、未練たらたらな自分に嫌悪感が湧く。
意外と人間なんだな、私も。
思わず自嘲的な笑みが溢れた。
「優香とは……」
「この子が宵ちゃんだよ!」
私が喋ろうとしたら、優香が遮る。
相変わらず、恭夜という人物の腕の中にいながらも、彼女は説明をしだした。