今宵、キミが砕け散る

 「貴女が?」

 優香は私のことを彼らに説明したのだろうか。

 一気に集まる鋭い視線に居心地が悪くなる。

 「そうだよ!宵ちゃんが私のこと助けてくれたんだよ!」

 無邪気な笑顔に、場が少し和んだ気がした。

 「俺は都司恭夜だ」

 やはり、あっていたみたいだ。

 都司恭夜は、優香に回していた腕を解いて、私に向き直った。

 「優香を、助けてくれてありがとう」

 そう言って、頭を下げた彼を見て目を見開いた。

 「え、あ、うん」

 いや、まさかお礼を言われるなんて思ってもいなかったから驚いた。

 「わ、私からも!あの時は本当にありがとう!!」


 
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