今宵、キミが砕け散る

 「ていうか、優香、ここの学生だったんだね」

 背が小さいからてっきり中学生かと思っていた。

 「うん!でも入学式行けなかったの……」

 後ろで加賀美が肩をピクリと揺らした。

 寝坊でもしたのかな?と勝手に解釈する。

 「あ!もしかして……宵ちゃんは、せ、先輩、ですか?」

 私を先輩だと思って敬語で話す優香に苦笑いを浮かべる。

 「違うよ、一年生」

 「へ?そうなの?」

 首を傾げるその姿も可愛らしい。

 「うん、そーだけど……そんなに老けて見える?」

 軽くショックだ。

 「え!?あ、ちちちちがっ!大人っぽいなって思っただけだから!」
 

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