今宵、キミが砕け散る

 「はぁ……」

 無意識に重い溜息が溢れる。

 家に入り自分の部屋へと向かう。

 すぐに制服を脱いでラフな服装に着替える。

 嶺緒は休んでから来いと言っていたけれど、お世話になっている身、申し訳ないので直ぐに下に降りる。

 「お、早かったな」

 ちょうど料理が出来終わった後らしく、手をタオルで拭きながら近づいてくる。

 「ん、何かある?」

 「あー、今ちょうど落ち着いたところなんだよな」

 あー、疲れた。そう言いながら伸びをする姿さえ様になっていて、イケメンは得だな、と心の中で呟く。


 
 

 
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