今宵、キミが砕け散る
ああ、だるいな。
1人1人正確に急所を突いて沈めて行く。
「うぐっ!」
最後の1人の溝内に拳を叩き込んで、ふぅ、と一息ついたときだった。
「す、めらぎ、れおって人を好きになれないんだよなぁ!?」
まだ喋る気力があるのか。
しみじみと感心しながら、男の言葉に耳を傾ける。
一体、どうしてこいつらまで知っているのだろうか。
「おま、え、心ねぇんじゃ、ね……っ!」
気づけば、体が勝手に動いていた。
横たわる男の顔面に、手加減無しの蹴りを入れた。
「っあ……!、?」
鼻は曲がって、男の口の中から何かが出てきた。
「ウケる」
自分の声なのに、初めて聞いた冷たく、感情がこもっていなかった。