今宵、キミが砕け散る

 「じゃあ、皆でいこーぜ。で、ハヤテはそのめっちゃ美味いっていうラーメン屋に案内して」

 いや、こんな大人数で、しかも不良が行ったら迷惑だろ……とは思ったけど、別に止める気もなかったので流れに身を任せた。

 「はいっす!」

 パッと花が舞っていそうな程可愛らしい顔で、ハヤテは笑った。



 「んで、さっき何考えてたの?」

 ラーメン屋へ向かいながらヤスが聞いてきた。

 溜まり場からはそれ程遠くないらしく、バイクに乗っている奴はいない。

 「いや、考えてたっつうか、思い出してたっつうか……」

 「思い出してた?」

 首を傾げるヤスを横目で見ながら言う。

 「俺が、東に入った日のこと」


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