今宵、キミが砕け散る

 暫くして、嶺緒は私に回していた腕を解いた。

 「だから、Daysにしたの?」

 私が問うと、嶺緒は苦笑しながら言った。

 「よくわかったな」

 わかるよ、そりゃ。

 ここの看板を見るたびに、嶺緒が懐かしそうにしているのを何度か見たことがあったから。

 「ここは、流羽の為に開いた店なんだ」

 ねぇ、嶺緒。

 ホントに嶺緒って、素直じゃないね。

 目が、好きだと言ってるよ。

 流羽さんって人が、大切だって。

 好きなんてとっくに、わかってたんじゃないの?

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