藍をテレパシーに乗せて。




暗闇の中でスマートフォンの液晶画面が、一つの低いヴァイブレーションと共に白い光を帯びた。



その光の源が彼から来たメッセージを受信したからというのは分かりきっていて、一つ鼻を啜ってスマートフォンに手を伸ばした。



嬉しいとかそういう感情を感じなくなったのは一体いつからだったろうか、こんな風に思っている今の自分がもしかして本当は嬉しい感情を揉み消していたりするのだろうか。


シンプルな絵文字が文字の中に並んでいて、またかと小さく呟いた。


閉めきらなかったカーテンの隙間から微かに入ってくる月明かりに差し出すように、スマートフォンを投げた。


絵文字に含まれた意味を除けば、彼の気持ちなんかこれっぽちも含まれていない。


文字を飾ろうとしたのが裏目に出ていることを、彼は分からないのだろうか。





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