藍をテレパシーに乗せて。
ああ……彼の本当の目で私の心を見てほしくてたまらないんだ。
この感情の答えがようやく分かって、私はゆっくりとスマートフォンの暗証番号を打ち込んでトークアプリを開いた。
画面を叩く音だけが、静寂な夜に浮かぶような私の部屋に響いた。
【藍たい】
変な誤字だと笑われてもいい。
哀しい、会いたい、逢いに来て、愛してる、その気持ち全てを黒に染まりきらない藍色に乗せた。
この気持ちを全てを彼の元へ届けと願わんばかりに、強く送信ボタンをタップした。
泣きたくなる気持ちを我慢するべく、力強く下唇を噛み締めて熱くなる目頭を塞いだ。
目を閉じるたら彼の姿が浮かぶんじゃないかと期待したけれど、私には何も映らない。
目をちゃんと開けて私は彼を見たい、何も誤魔化さずに真っ直ぐに彼を見つめていたい。
力強くカーテンの片側を開けて、窓を全開に開けて身を乗り出し夜空に浮かぶ月を睨んだ。
輝きを放ち続けるなら、どうせなら私達を照らすスポットライトにでもなってくれ。