2番手の俺がキミのヒーローになる物語
部屋で1人でいた時窓から見えたのは傘をさした女の子がとぼとぼと1人で歩いている姿だった。その子が1週間前に近くに引っ越してきた子であることはすぐに分かった。引っ越してきた日に挨拶に来てもらって以来話したことはなかったが、何となく気になった俺は会いに行くことを決めた。
数十分探すとその子は公園のベンチで座っていた。俯いていたため俺が近づいていることに彼女は気づかない。
「どうしたの?」
急に聞こえてきた俺の声に彼女は驚き、顔を上げる。その顔は泣きそうになっていた。
「えっ...」
「あー、奈緒ちゃん...だよね?トボトボ歩いてるの見えたからその...気になって...」
「...奈緒で良いよ」
「あ、うん。俺のことも蓮都で良いから...」
そう答えると奈緒は小さく笑い、また俯いた。仕方なく俺は奈緒の横に座り、何か話してくれるのを雨を見ながら待った。
10分ほど沈黙が続いた後、奈緒は話し始めた。
「...お母さんとお父さん仕事に行っちゃった」
「そっか...」
「誕生日だから一緒にいてくれるって言ってたのに...嘘ついた」
「えっ!?」
その時俺は初めて今日奈緒が誕生日だということを知った。誕生日はプレゼントをもらえる日だと思っていた俺はすぐに立ち上がり、傘もささず何かあげれるものを探した。
公園にあげて喜んでもらえるようなものはなかった。視界に入ったのは緑の絨毯。俺はそこに駆け寄り、そのうちの一つを取って奈緒に渡した。
「誕生日おめでとう」
「...えっ?」
「いや、あの、すぐにプレゼント用意できなくて...こんなのでゴメン」
奈緒は俺の手から三つ葉を受け取る。
すると泣きそうだった顔が次第に満面の笑みになった。
「うれしい!ありがとう」
人の笑顔はこんなに可愛く見えるものなのだろうか...。その時の胸の高鳴りの正体が分かったのはもう少し後のことだった。
笑顔になった奈緒とおれは夜まで2人で話し続けた。そして俺と奈緒の母親が迎えにきた。夜まで遊んだことに俺は怒られ、その様子を見て奈緒は笑った。そうして少し不機嫌になった俺に笑顔で奈緒が手を振り、その日は別れたのだった。
数十分探すとその子は公園のベンチで座っていた。俯いていたため俺が近づいていることに彼女は気づかない。
「どうしたの?」
急に聞こえてきた俺の声に彼女は驚き、顔を上げる。その顔は泣きそうになっていた。
「えっ...」
「あー、奈緒ちゃん...だよね?トボトボ歩いてるの見えたからその...気になって...」
「...奈緒で良いよ」
「あ、うん。俺のことも蓮都で良いから...」
そう答えると奈緒は小さく笑い、また俯いた。仕方なく俺は奈緒の横に座り、何か話してくれるのを雨を見ながら待った。
10分ほど沈黙が続いた後、奈緒は話し始めた。
「...お母さんとお父さん仕事に行っちゃった」
「そっか...」
「誕生日だから一緒にいてくれるって言ってたのに...嘘ついた」
「えっ!?」
その時俺は初めて今日奈緒が誕生日だということを知った。誕生日はプレゼントをもらえる日だと思っていた俺はすぐに立ち上がり、傘もささず何かあげれるものを探した。
公園にあげて喜んでもらえるようなものはなかった。視界に入ったのは緑の絨毯。俺はそこに駆け寄り、そのうちの一つを取って奈緒に渡した。
「誕生日おめでとう」
「...えっ?」
「いや、あの、すぐにプレゼント用意できなくて...こんなのでゴメン」
奈緒は俺の手から三つ葉を受け取る。
すると泣きそうだった顔が次第に満面の笑みになった。
「うれしい!ありがとう」
人の笑顔はこんなに可愛く見えるものなのだろうか...。その時の胸の高鳴りの正体が分かったのはもう少し後のことだった。
笑顔になった奈緒とおれは夜まで2人で話し続けた。そして俺と奈緒の母親が迎えにきた。夜まで遊んだことに俺は怒られ、その様子を見て奈緒は笑った。そうして少し不機嫌になった俺に笑顔で奈緒が手を振り、その日は別れたのだった。