2番手の俺がキミのヒーローになる物語

想いと運命

奈緒と先輩が出掛けた日から1週間が経った日曜日の午後。ソファでくつろいでいる俺に母親が話しかけてきた。
「これ奈緒ちゃん家に持っていって」
母親の方を見るとバウムクーヘンのお店の紙袋を持っていた。何処かへ出掛けると必ず買ってきて奈緒の家にもあげていた。今回も買ってきたため渡しに行けということだろう。
「はいはい」
やることもなかった俺は素直に従い、外へ出る。夕方から天気が悪くなるという予報だったが、今は綺麗な青空が広がっていた。
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