2番手の俺がキミのヒーローになる物語
奈緒の家のインターホンを押すと奈緒がすぐに出てきた。
「あっ蓮都」
「これ母さんが奈緒ん家にって」
「わっ!バウムクーヘン!これ好きなんだぁ。ありがとう」
「おう、じゃあまた...」
そう言って帰ろうとした俺の手を奈緒が掴んできた。
「あがっていきなよ。暇でしょ?」
手を掴まれたことや笑顔を向けられたことにドキドキしながらも、それを悟らせないように冷静を装う。
「まぁ暇だし、ちょっとだけ」
そう言うと奈緒は嬉しそうに笑って家へ招き入れた。
家に入っても俺たちの足音しか聞こえず、他に誰もいないように思えた。
「一人だったのか?」
「うん。親は2人で買い物行ってる」
「へー」
そうしてリビングに入り、出してもらった麦茶を飲む。
2人でいる時は大抵奈緒から話を振られるのだが、今日は特に話しかけてくる気配がなかった。俺は聞きたくない気持ちもあるがどうしても気になってしまっていることを聞く。
「...先輩とのお出掛けはどうだったんだ?」
その言葉に奈緒は満面の笑みになって話し始めた。
「すっごく楽しかったよ!最初は映画見たんだけどその映画も良かったし...その後ファミレス入って映画の話とか色んな話して...ずっと笑って楽しい時間だった」
好きな子の嬉しそうな顔を見て淋しく思うのは、きっとこういう時だけなのだろうと思った。それでも奈緒に気にさせないように俺は返事する。
「良かったじゃん。奈緒が楽しそうで俺も嬉しいよ」
すると奈緒は少し淋しそうな顔になった。何か変なことを言ってしまったのか不安になる。
「どうした?」
「...蓮都はなんで紫乃たちといたの...?」
「あぁ、だからたまたま会って一緒にいただけだよ」
会った時に香坂さんが言ってくれていたが、どうやらちゃんと伝わっていなかったらしい。俺の言葉に奈緒は少し考えるような顔をした後すぐにいつもの笑顔になった。
「そっか!なんか蓮都が女の子と一緒にいるの珍しいからビックリしちゃった」
確かに奈緒以外の女子と仲良くなったことや休日に一緒に歩くようなことはなかった。たまたまとはいえ俺が女子と一緒にいることは驚かれて当然だろう。
「まぁ俺も奈緒が先輩と出掛けてビックリだけどな」
少し投げやりな言い方になってしまったが、奈緒は気にせず嬉しそうに笑う。その顔に俺はまた心を痛めた。
「あっ蓮都」
「これ母さんが奈緒ん家にって」
「わっ!バウムクーヘン!これ好きなんだぁ。ありがとう」
「おう、じゃあまた...」
そう言って帰ろうとした俺の手を奈緒が掴んできた。
「あがっていきなよ。暇でしょ?」
手を掴まれたことや笑顔を向けられたことにドキドキしながらも、それを悟らせないように冷静を装う。
「まぁ暇だし、ちょっとだけ」
そう言うと奈緒は嬉しそうに笑って家へ招き入れた。
家に入っても俺たちの足音しか聞こえず、他に誰もいないように思えた。
「一人だったのか?」
「うん。親は2人で買い物行ってる」
「へー」
そうしてリビングに入り、出してもらった麦茶を飲む。
2人でいる時は大抵奈緒から話を振られるのだが、今日は特に話しかけてくる気配がなかった。俺は聞きたくない気持ちもあるがどうしても気になってしまっていることを聞く。
「...先輩とのお出掛けはどうだったんだ?」
その言葉に奈緒は満面の笑みになって話し始めた。
「すっごく楽しかったよ!最初は映画見たんだけどその映画も良かったし...その後ファミレス入って映画の話とか色んな話して...ずっと笑って楽しい時間だった」
好きな子の嬉しそうな顔を見て淋しく思うのは、きっとこういう時だけなのだろうと思った。それでも奈緒に気にさせないように俺は返事する。
「良かったじゃん。奈緒が楽しそうで俺も嬉しいよ」
すると奈緒は少し淋しそうな顔になった。何か変なことを言ってしまったのか不安になる。
「どうした?」
「...蓮都はなんで紫乃たちといたの...?」
「あぁ、だからたまたま会って一緒にいただけだよ」
会った時に香坂さんが言ってくれていたが、どうやらちゃんと伝わっていなかったらしい。俺の言葉に奈緒は少し考えるような顔をした後すぐにいつもの笑顔になった。
「そっか!なんか蓮都が女の子と一緒にいるの珍しいからビックリしちゃった」
確かに奈緒以外の女子と仲良くなったことや休日に一緒に歩くようなことはなかった。たまたまとはいえ俺が女子と一緒にいることは驚かれて当然だろう。
「まぁ俺も奈緒が先輩と出掛けてビックリだけどな」
少し投げやりな言い方になってしまったが、奈緒は気にせず嬉しそうに笑う。その顔に俺はまた心を痛めた。