２番手の俺がキミのヒーローになる物語
来週はクラスの人たちと親交を深めるためのオリエンテーション合宿が企画されていた。
「それじゃあ男女４、５人のグループ作ってください」
先生の声に皆が一斉に動き出した。
「蓮都組もうぜ」
前の席の新が振り向いて言ってくる。
「あぁ」
「あとは女子だけど」
「待ってれば来るだろ」
「ははっ、そうだな」
新は笑って奈緒の方を見る。そして案の定奈緒は1人の女の子と共に来た。
「蓮都、一緒のグループになろ」
「あぁ」
俺は真っ直ぐ俺の下に来た奈緒に少し安心していた。
そのことに気づいた新はまた笑った。
「奈緒ちゃんよろしくねー」
「よろしく新くん。紫乃もこの4人で良い？」
「えっと、あの、うん。よろしく」
控えめに小さな声でそう言ったのは香坂紫乃さんだった。２つ縛りで眼鏡をかけており、俺は話したことはなかったが奈緒と仲良くしている姿は遠くから見ていた。
元気な奈緒の隣だとより大人しい感じがするが優しい雰囲気の人だった。
「よし！じゃあ決まり。先生に言ってくるね」
そう言って奈緒は香坂さんを連れて先生の下へ行った。
「本当奈緒ちゃんは元気だね」
「あんな元気に生きてみたいもんだよ」
「お前が元気あり余ってたら引くけどな」
「...確かに」
そんなことを話していくうちにグループ作りの時間は終わっていった。
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