【激短編】ガラスの中の青
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「綺麗だね。」



彼女は無邪気な笑顔を俺に向けて呟いた。


手には先程コンビニで買った、マリンブルー色の酒の瓶が握られている。



「いや…なんか、不健康な色だぞ。」



タバコの煙を吐き出しながら、俺は呆れた声を出す。



「そういうのはな、変な着色料とか、香料を使ってるんだよ。」



俺のあまりに可愛げのない言い草に、



「なんか、いつも夢のない事言うよね。」



と、彼女は苦笑した。


少し遠慮がちなその笑顔に、俺は胸の辺りがキュッと締め付けられるのを感じる。



「ま、夢ならもう現実になってるしな…」



と言ってみて、あまりに臭い台詞だと自分自身で後悔した。


彼女も丸い目で俺の事を眺めている。


せめて笑い飛ばしてくれれば良いものを…


俺は照れを隠す様にタバコを揉み消すと、間もあけずに次のタバコを口にくわえた。



「それって…夢が叶ったって、今の事?」



暫く黙ってた彼女は、どうやら俺の台詞に呆気にとられた訳じゃなく、その意味を考えていたまでの事だった。


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