君の隣で、君と同じ景色を見たい。
「んっ..........」
いつもよりも軽い気がする身体。
その軽さが不自然だ。
目を開けると、そこには真っ白な世界が広がっていた。
さっきまで感じていたはずの頭痛や、消毒液の匂いは全く感じない。
さっきの天井も真っ白だったけど、今回も白は何かが違う。
優しい白というか...何というか...
雲のような白だ。
でも、上下左右を見渡しても全部が同じ白で。
進む方向も、道があるのかさえもわからない。
するとどこからともなく、これまた真っ白な洋服を着た男が現れた。
「初めまして、織咲 葵海様。ようこそここへおいでくださいました。私は椿と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
「....................」
「あら、どうかしました?やっぱり私の存在に困惑していらっしゃいますか?」
内心、こいつは何者なんだ、こんなに突然現れて困惑しないわけないでしょ、と思いながら言葉にらならない。
何から突っ込んでいけばいいのか。
「これは困惑しているご様子ですね。それもそうですよね。もう少し私の自己紹介をしますね。」