シニアトポスト





大学の卒業式の日、おまえは死んだ。

飛び出してきた子供が軽トラックに轢かれそうになったところを助け、代わりに春野は命を落とした。




春野は良い奴だった。


柔らかい雰囲気で、見るからに優しそうで、時々ヘタレ。

そのくせ、春野と、その彼女の藍ちゃんの始まりはなんとも刺激的。サークルの飲み会でつぶれた藍ちゃんを持ち帰って、手を出さずに一夜を過ごしたと連絡をもらっていたはずなのに、春野は次の日大学を休んだ。


あとから事情を聞けば、目覚めた翌日の朝、藍ちゃんとそういうことをしていたという。



なにやってんだよ、ほんと。

そう思う反面、春野もちゃんと男なんじゃんって思って、俺は友達として少し安心した。



春野が死んで、藍ちゃんはひとりになった。
俺はもともと連絡を取るほど彼女と仲が良かったわけでもないから、社会人になって藍ちゃんがどんな生活をしているのかは分からない。


彼女は、元気にしているだろうか。


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